火起こしは“着火剤”の選び方で変わる!
バーベキューやキャンプで火をおこす際に便利な着火剤。種類によって使い勝手や燃焼時間が異なりますが、具体的にはどう選んだら良いのでしょうか? さっそく着火剤を選ぶときのの3つのポイントをご紹介します。
「固形」「ジェル」「パック」「マッチ」「防水」……着火剤の種類をチェック!
まずは着火剤の「種類」に注目してみましょう。それぞれ種類ごとの特徴を理解することで、用途にあった着火剤を選ぶことができますよ。
固形タイプ
固形タイプの着火剤とは、燃料用アルコールを固形にしたり木質材料にパラフィン(ロウ)や石油系燃料を混ぜて固めたりした燃焼剤のこと。
・ゆっくり炎が広がるので初心者でも比較的安全に取り扱える
・湿気に弱く、長期保存に不向き
固形タイプの着火剤は、取り扱いしやすいのが特徴。必要な量だけ使用でき、ゆっくり炎が広がるので初心者でも安全に取り扱うことができます。
しかし、石油系燃料を含んでいることが多いため臭いが気になる方には不向き。湿気にも弱いのでワンシーズンで使い切る必要があります。
ジェルタイプ
ジェルタイプの着火剤とは、燃料用アルコール(メチルアルコール)を主成分としたジェル状の燃焼剤のこと。
・チューブなどの容器に入っているので細かく使用量を調整できる
・長期保存がしやすい
・引火する危険性が高いので継ぎ足しは厳禁
ジェルタイプの着火剤は火力が高いのが特徴で、着火スピードが早いため燃えにくい備長炭などの火起こしに効果的です。
ただし、火力が高いため取り扱いには注意が必要。引火する危険性が高いので継ぎ足しは厳禁であり、火起こしに慣れた経験者向けとなります。
パックタイプ
パックタイプは、燃料系のジェル状燃焼剤が小分けにパックされている着火剤です。
・手軽で扱いやすい
・火力が高いので取り扱いに注意が必要

パックタイプの着火剤は小分けになっているため取り扱いやすく、手を汚さず使用することができるのが特徴。密閉されているので湿気に強く長期保存が可能ですがジェルタイプと同様火力が高いので引火しやすく、使用量を細かく調整できないのがデメリットとなります。
マッチタイプ
マッチタイプの着火剤は、その名のとおりマッチの形状をした燃焼剤です。
・マッチのように手軽に扱える
・湿気に弱く長期保存に不向き

マッチタイプの着火剤は、従来の燃焼剤とは違いマッチのように取り扱えるのが特徴。勢いよく燃え広がることがないので、安全に着火させることができます。
防水タイプ
防水タイプの着火剤とは、水に濡れても火がつき燃焼し続けることができる燃焼剤のこと。
・水に濡れても着火できる

防水タイプの着火剤は、水に濡れても着火できるのが最大の特徴。少々お値段が高めですが、一度着火すると水がかかっても燃え続けることができ、湿気にも強いので長期保管が可能です。
着火剤の燃焼時間をチェックしよう!
着火剤を選ぶときは「燃焼時間」も重要なチェックポイント。燃焼時間が長ければ長いほど燃え続ける時間が長くなるので、燃えにくいタイプの炭でも着火させることができます。
着火剤の種類によって燃焼時間はまちまちですが、おすすめは目安として最低でも5分以上のものを選ぶこと。10分以上の燃焼時間があれば余裕をもって着火できます。
特に備長炭(白炭)を使う場合は燃えにくく火起こしに時間がかかるため、着火剤も燃焼時間の長いタイプを選んでおくと良いでしょう。
着火剤のニオイの強さもチェックしよう!
着火剤の種類によっては燃焼した際のニオイがあり、特に石油系の成分を含んだ着火剤はニオイが強いため食材に移る可能性も。
食材へのニオイ移りが気になる方は石油系成分の着火剤は避け、その他の燃焼成分を用いたニオイの少ない着火剤を選ぶようにしましょう。
それではここから、オススメの着火剤を「種類別」にご紹介していきます。選ぶときのポイントを踏まえたうえで、用途に最適な着火剤を見つけてみてくださいね。
【種類別】おすすめの着火剤25選
固形タイプ
●必要な量だけ割って使える
●間伐材を使用しているので石油系の嫌な臭いがしない
●1個で約15分と長時間燃焼することができる
●取り扱いしやすいキューブタイプ
●圧縮おが粉(パイン材)を使用しているので燃焼しても嫌な臭いがしない
●ヤシガラを再利用した森林伐採しないエコなチャコール
●松ヤニを多く含んだ天然の松の木(スティックタイプ)を使用
●圧縮木材繊維を主原料としているので石油系の嫌な臭いがしない
●木材繊維質に灯油を含んでいるので火付きが早くよく燃える
●キャンディのような可愛いデザインでよい香りがする
●廃棄するような小さな炭を特殊加工で再利用している
●必要な分量だけ手で割って使用することができる
●環境に優しく間伐材を使用している
ジェルタイプ
●木炭への着火がスムーズなゼリー燃料
●容器内に揮発性混合ガスが溜まらないよう逆止弁付き
●必要な分量だけ使えるジェルタイプ
●火気吸引防止キャップを採用
パックタイプ
●小分けになったパックタイプで取り扱いしやすい
NorwegianStyle ファイヤースターター 着火剤 バレル(100個入)
サイズ | 120×120×215mm |
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内容量 | 100個 |
●ヨーロッパで広く使われている袋のまま燃やすことができる着火剤
●手を汚さず使用できるパック燃料
マッチタイプ
●マッチ型着火剤が20本入り
●サトウキビの搾りカスを原料としたエコな着火剤
防水タイプ
●水に濡れても一発着火し、水がかかっても火が消えない
ダイソーでも購入可能
ダイソー 着火剤 12片×2枚
●ウッドファイバーパラフィンが主材料なので燃えても嫌な臭いがしない
サイズ | 15×10×1cm |
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内容量 | 24片 |
ダイソー 着火剤(バーベキュー用、ジェルタイプ)
●火力が高いジェルタイプで火がつきにくい炭への着火に最適
サイズ | 8.7×3×16.5cm |
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内容量 | 100g |
着火剤がなくても代用品があれば火起こしできる!
炭への火起こしが素早くできる便利な着火剤ですが、もし手元なくても身近にあるものを着火剤として代用できるのをご存知でしょうか?
ここでは着火剤として代用できるアイテムをご紹介していきます。
牛乳パック
牛乳パックに使用されている素材にはワックスコーティングが施されているため火付きがよく、着火剤として代用することが可能。燃焼時間が長く燃えカスも少ないなど、効果的に代用できます。
新聞紙
新聞紙も着火剤の代用品としてオススメ。一般的な紙に比べてインクの油分を多く含んでいるため燃えやすく、着火剤の代わりにもなりますが、灰が舞い散りやすいので周囲の環境を考慮する必要があります。
ガムテープ
ガムテープも着火剤として代用可能。粘着部分に燃えやすい成分を含んでいるので、粘着部分を表側にしフワっと丸めて火を付けることで着火剤として使用することができますが、燃焼時間が短くニオイもするため補助的な使用が良いでしょう。
松ぼっくり
松ぼっくりには松ヤニの油分を多く含んでいるため着火剤の代用に最適。着火剤を忘れてしまったり途中で切れてしまったりしても現地で調達することができ、燃焼時間も長いためオススメです。
みかんの皮
みかんなど柑橘類の皮にも油分を含んでいるため着火剤として代用できます。水分を含んでいると火が付きにくいため、事前に天日でしっかり乾燥させてから使用すると良いでしょう。
着火剤の使い方や正しい捨て方は?
せっかく着火剤を持っていっても使い方が間違っていたら宝の持ち腐れ。そんなことがないように、ここからは「着火剤を効果的に使用する方法」や「正しい捨て方」をご紹介していきます。
着火剤の使い方
炎は下から上へと上昇する性質があるため、着火剤は炭の上に置いて火を付けるより炭の下に置いて着火するのが効果的です。炭を縦置きにし、空気の流れを作って効率的に燃焼させましょう。
着火剤に火を付けるときは、安全のためノズルの長いライターを使用するのがオススメ。火傷のリスクを軽減できるので、用意しておくと良いでしょう。
着火剤の正しい捨て方
着火剤を捨てる場合は、必ずお住まいの自治体の指示に従って捨てるようにしましょう。
引火する危険性が高いのでゴミとして廃棄するのを禁止していたり清掃センターなどに処分を依頼しなければいけなかったり自治体によって対応はさまざまです。
燃えるゴミとして処分できる場合、固形タイプの場合は水に濡らした新聞紙やボロ布などに包み、ビニール袋に入れ厳重に引火しない状態にしてから自治体の指示に従って処分しましょう。
ジェルタイプは、メチルアルコールを主成分としており、揮発すると爆発する危険性があります。
水を少量張ったバケツにジェルをすべて絞り出し、水で薄めた状態にしてから新聞紙やボロ布に染み込ませてビニール袋に入れ正しく捨てるようにしましょう。
着火剤を使用するときの注意点とは?
着火剤を使用するときの注意点が以下のとおりです。
着火剤の継ぎ足しは危険なのでNG!
着火剤の使用量が少なく火付きに物足りなさを感じても、途中で着火剤を継ぎ足す行為は危険ですのでやめましょう。
特に、ジェルタイプの着火剤はアルコールを主成分としており、火力が非常に高いのが特徴です。
少量でも継ぎ足すと一気に燃え広がるので要注意。着火したジェルが飛び散ったり、チューブの容器に燃え移ったりする危険性もあります。
ジェルタイプは塗布したら早めに着火させよう
ジェルタイプの着火剤は、メチルアルコール(メタノール)を主成分としているため、揮発してガス化すると爆発する危険性があります。
そのため、ジェルタイプの着火剤を炭に塗布したら早めに着火するようにしましょう。
揮発してガス化したメチルアルコールはめまいを起こしたり、大量に吸引すると失明の恐れがあります。取り扱いには十分注意しましょう。
近くに水を張ったバケツを用意しておこう
着火剤を使用する場合は、万が一に備えて水を張ったバケツや濡れた布を用意しておくようにしましょう。
激しく燃え広がったときや周囲に引火したときのことを想定して、早急に消火対処するための準備をしておくことが重要です。
着火剤の正しい保管方法は?
着火剤を保管する場合は、以下のような場所に注目して正しく保管するようにしましょう。
・火の気がない場所
特に固形タイプの着火剤は湿気の影響を受けやすいので、密閉して保管するのがポイント。火の気がない場所や風通しのよい場所を選んで保管するようにしましょう。
基本的に着火剤を使用したあとは来シーズンまで持ち越さず、ワンシーズンで使い切るのがオススメです。
着火剤で火起こし名人になろう!
火起こしの心強いアイテムとなる着火剤には「固形タイプ」や「ジェルタイプ」などさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なるため燃焼時間やニオイなどに注目して用途にあった着火剤を選ぶのがポイントです。
今回紹介した選び方や代用品・正しい使い方や捨て方を参考に、着火剤を使いこなして火起こし名人になってくださいね!