ペグの選び方
ペグにはさまざまな種類があり、どれを選んでよいか分からないことがあるかもしれません。
そこで、ペグを初めて購入する方に向けて、失敗しないペグの選び方をご紹介していきます。以下のようなポイントに注目することで、用途に合ったペグを選ぶことができますよ!
1. 形ごとの特徴を知ろう
ペグには以下のような形があり、それぞれ特徴が異なります。メリット・デメリットを把握したうえで、キャンプ場、河原、砂浜など使用する場所や地面の状況に応じてペグの形を選ぶとよいでしょう。
以下にペグの主な形や特徴をまとめたので、参考にしてください。ただし、以下の表はあくまで目安であり、製品によって特徴や適切な使用場所は異なる点は留意してください。
種類 | 画像 | 特徴 | 使用場所 |
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ピンペグ | ![]() |
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ネイルペグ | ![]() |
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楕円形ペグ | ![]() |
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V字・U字ペグ | ![]() |
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X字・Y字ペグ | ![]() |
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2. 素材をチェックしよう
ペグに使われる素材には、主に以下のようなものがあります。形と同様、それぞれにメリット・デメリットがあるので、用途に合った素材を選ぶようにしましょう。
たとえば、強度を重視するのであれば、さまざまな地面に対応できる鍛造ペグがおすすめ。バックパックに入れて持ち運ぶようなシーンでは、軽量なアルミやジュラルミン、チタンなどが有用です。
素材 | 特徴 | こんな人におすすめ |
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アルミ |
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スチール |
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チタン |
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ステンレス |
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ジュラルミン |
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鍛造 |
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プラスチック |
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3. 用途に合った長さを選ぼう
ペグを選ぶときは、長さに注目するのも重要です。ペグを打ち込む地面の固さやテントの大きさなどに応じて適切なペグを選ぶことで、強い風が吹いてもしっかり固定することができます。
ペグの長さは20cm以下のコンパクトサイズから50〜60cmなどのロングサイズまでさまざま。長いほど抜けにくく、地面にしっかり固定することができます。
長さ | 用途 |
---|---|
20cm | ソロテントやツーリングテントなどの軽量テントを固定するとき |
30cm | 汎用的なペグを用意したいとき |
40cm | ファミリーサイズのテントやタープを固定するとき |
50cm | 砂浜や柔らかい芝生、または大型テントやタープを固定するとき |
60cm | 強風時などにテントやタープを確実に固定したいとき |
最も標準的な30cmのペグは、オールマイティに使用しやすいサイズ。風の影響を受けにくいコンパクトテントなら20cm程度を、柔らかい芝生や砂浜など地盤が軟弱な場所に固定する場合は40cm以上を目安に選ぶのがおすすめです。
基本的には長いほど固定力は高くなりますが、重くて持ち運びづらく、打ち込むのも大変になるため、用途に合った長さを選ぶようにしましょう。
種類別おすすめのペグ
それではここから、以下の分類でおすすめのペグを紹介していきます。
オールマイティーなキャンプ向け
どんな固い地面でもしっかりとテントやタープを固定できるスノーピークのソリッドステーク30。「ペグは消耗品」という概念を変えたともいわれる頑丈な鍛造ペグで、ヘッド形状が円柱形となっているので打撃時にハンマーが滑りにくくパワフルに打ち込むことが可能です。
固い地面にも負けない強靭な素材を使用した、アメリカ発の老舗アウトドアブランド「コールマン」のスチールソリッドペグ30cm。耐久性に優れた鍛造ペグで、砂利や締まった地面でもガンガン打ち込むことができます。
鍛治の本場・新潟県燕三条に本社を構えるアウトドアブランド「村の鍛冶屋」の人気鍛造ペグ。角やバリでロープが切れないようトリミングされた形状が特徴で、ヘッド面積が大きいのでハンマーで打ち込みやすくなっています。
自転車のフレームに採用されるほど硬度や強度が高いクロムモリブデン鋼を使用したOgawaの高品質鍛造ペグ。ハンマーの力が加わりやすいヘッドをしているので打ち込みやすく、ペグ抜きしやすい独自のフック形状が特徴的です。
ネット販売を中心に低価格のアウトドアギアを展開している「クイックキャンプ」の鍛造ペグ。ソロキャンプやツーリングキャンプなど風の影響を受けにくいコンパクトテントを使用するときに取り扱いしやすい20cmサイズです。
航空機などの材料にも使われる超超ジュラルミンを採用した、軽さと強度を兼ね備えたユニフレームのジュラパワーペグ。ペグの中心軸と力の方向が一致するよう曲げ加工が施されており、打撃時の力のロスを抑えることができます。
キャプテンスタッグから発売されているお手頃価格のパワースチールペグ31cm。テントやタープに付属していることが多いピンペグタイプなので使い勝手がよく、地面の食いつきのよい芝生など整地された地面での使用におすすめです。
金物加工の町として有名な新潟県三条市に本社を構えるアウトドアブランド「ベルモント」のトライアングルジュラペグ200。軽く強度に優れたジュラルミン素材を採用し、強風時に回転してしまうピンペグの弱点を軽減するトライアングル形状が特徴です。
2012年に誕生した新鋭アウトドアブランド「テントファクトリー」のキャスティングペグ。鉄を型に流し込んで製造されたスチールの鋳物製で、30cmの長さがあるので固い地面でもしっかり打ち込むことが可能です。
地面に打ち込んだときの接地面積が多いV字型を採用し、砂地や土でも抜けにくいロゴスのスチール製ペグ。ペグサイズが22cmなので使い勝手がよく、ソロキャンプやツーリングテントでの使用に最適です。
アウトドア用品・釣具通販サイト「ナチュラム」のオリジナルブランド「ハイランダー」から発売されている28cmサイズの頑丈ペグ。その名のとおり強度と耐久性が高く頑丈なため、固い地面でもしっかりハンマーで打ち込むことができます。
軽さと強度を兼ね備えたフィールドアのチタン製ペグ。軽量化を重視するソロキャンプや登山などでの使用に最適です。フックがヘッド先端まであるのでハンマーがしっかり当たり、固い地面でも力をロスすることなく打ち込めます。
抜けにくい砂浜向け
ねじれた特殊な形状が特徴的なアウトドアブランド「MSR」のサイクロンステイク。固定力が高く、柔らかい地面でもしっかり捉えることができます。アルミ素材を採用しているので25cmサイズながら35gと非常に軽く、取り扱いが便利です。
長さ38cmとロングサイズなキャンプテンスタッグのPC.サンドペグ。砂地でも抜けにくく、しっかり固定することができます。ABS樹脂製で75gと軽いため、持ち運びもしやすいでしょう。
砂浜や河原で大活躍するキャンプテンスタッグのサンドスチールペグ。50cmの超ロングサイズで抜けやすい砂地でもしっかり打ち込み固定することができます。また、強度の高いスチール製でもあるので小石や砂利の多い河原でも使用可能です。
独自デザインを採用し、抜けやすく固定が難しい地面に対応したユニフレームの海ペグ400。柔らかな砂浜でもしっかり食い込み抜群の固定力を発揮し、樹脂製で40cmサイズながら約87gと使い勝手にも優れます。
砂浜でタープをしっかり固定したいときに威力を発揮するキャンプテンスタッグのスパイラルペグ。46cmサイズでらせん状の形をしており、抜けやすい砂地でもねじ込むことでガッチリ固定することができます。
柔らかい地面に最適なロゴスのスクリューペグ2。従来の形状とは違った特殊なスクリュー型を採用しているので抜けやすい砂浜でもしっかり固定することができます。スチール製で41cmの長さがあり、リングにロープを結びつけて使用可能です。
ネット通販を中心にお手頃なタープテントなどを展開しているフィールドトゥーサミットのスクリューペグ。スチール素材で約44cmあり、砂地や柔らかい土でもねじ込んでしっかり固定することができます。ビーチでタープを固定するときにおすすめです。
ペグサイズが36cmでありながらポリプロピレン素材を採用しているので30gと非常に軽量なプラ抗。柔らかい土や砂浜でもタープをしっかり固定でき、手軽に扱うことができる軽量タイプのペグをお探しの方におすすめです。
持ち運びしやすい軽量タイプ
アルミ素材を採用し、重量10gと非常に軽量なMSRのミニグランドホグステイク。Y型でペグを打ち込んだときの接地面積が多く、強度も兼ね備えているのが特徴です。ペグサイズが15cmとコンパクトで、ソロテントなどを固定するときに最適といえます。
アルミニウムのなかでもとくに強度が高いA7075(超々ジュラルミン)素材を使用したMSRのニードルステイク。ペグサイズ17.5cmで重量は9.6gと最軽量クラスを誇ります。登山やソロキャンプなど軽量化を重視する方に最適です。
重量なんと6gを切るMSRの最軽量ステイク。カーボンファイバーをアルミニウムで覆った特殊構造をしており、軽量かつ丈夫なのが特徴です。10本持ち合わせても60g程度と驚くほどの軽さなので、とにかく軽さを重視してペグをお探しの方に最適となります。
軽く丈夫で錆びにくいチタン素材を採用したVARGO(バーゴ)のチタニウムウルトラライトステイク。シンプルな作りであるぶん、1本7gという軽さを誇り、ソロキャンプなどでコンパクトなテントを設営するときに最適です。
チタニウム素材を採用したVARGO(バーゴ)のチタニウムアッセント。ピンペグよりも接地面積が大きいV字型で固定力が高く、肉抜きを施して軽さを追求しています。雪上で効果を発揮する幅広タイプで、引き抜くときに便利な紐付きです。
軽さと利便性を兼ね備えたNEMO(ニーモ)のスイープステーク。スライドさせることで手を汚さず土や泥汚れを取り除くことができる「ビスケット」を搭載しているのが特徴です。ビスケットは蓄光仕様となっているので夜間での視認性を高めています。
一緒に用意したいアイテム
ペグを購入するときには、必要に応じて以下のようなアイテムを一緒に用意すると便利です。
ペグハンマー
ペグダウンするときに必要になる、一緒に用意しておきたいアイテムがペグハンマー。
固い地面でも力をロスすることなく打ち込めるほか、ペグを抜くときにも大活躍します。
村の鍛冶屋 エリッゼステーク アルティメットハンマー
サイズ | 30.3cm |
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重さ | 570g |
素材 | 本体:鉄+カチオン塗装もしくは鉄+クロームメッキ塗装/ヘッド:真鍮もしくはステンレス/柄:天然木 |
●金物の町として有名な新潟県燕三条製のペグ専用鍛造ハンマー
ペグケース
ペグをまとめて収納して持ち運べるペグケース。たくさんの本数が必要になるペグは、そのままではバラバラして持ち運びに不便です。
そんなときにペグケースがあれば、種類ごとに整理して収納できるほか、紛失を防ぐことができますよ。
●タフに使える防水帆布製
ペグマーカー
夜間にテント周辺を歩いているときに、ペグやガイロープに足を引っかけてしまった経験はありませんか? そんなとき「ペグマーカー」があれば便利です。
蓄光タイプのペグマーカーを取り付けておけば、視認性の悪い夜間でもペグやガイロープの位置を把握することができ、安全にテント周辺を移動することができます。
●スティックタイプで取り扱いが便利
ペグテーブル
カップや小物などちょっとしたものを置くことができるペグテーブル。
天板と1本のペグを組み合わせるだけで簡単に簡易テーブルを作ることができ便利です。
●30cmスチールペグに取り付けるだけでミニテーブルとして使用可能
ペグの使い方
せっかくペグを購入したけれど、簡単に抜けてしまったりガチガチで抜きにくかったりした経験はありませんか? それは、打ち方や抜き方が間違っていることが原因かもしれません。
ここからは、以下の項目ごとにペグの使い方をご紹介していきます。
打ち方
ペグを打つときは、以下のようなポイントを意識するようにしましょう。
・ロープと直角になるように地面に対して60度くらいの角度で打ち込む
状況にもよるため一概にはいえませんが、ペグをしっかり利かせるためには、地面に対して60度くらい、ロープに対して直角になるように打ち込むとしっかり地面に固定することができ、強風でロープのテンションが強くかかっても抜けにくくなります。
また、ペグに対してまっすぐ打ち込むことでダイレクトに力を伝えることができ、ペグの曲がりを防ぎながら固い地面でも強く打ち込むことが可能です。
ぬかるみや砂地など地面が柔らかく、斜めに打ち込んでも抜けてしまう場合は、打ち込んだペグの手前に交差するようにもう1本打ち込む「クロス打ち」をすることでより強固に固定することができ、抜けを防止することができるでしょう。
抜き方
ペグをしっかり打ち込んだ場合、地面の状況によってはガッチリ利いているぶん、なかなか抜くことができず、体力や時間を費やしてしまうことがあります。
そんなときは、ペグのヘッド部分にある穴にハンマーのペグ抜きを差し込み、左右にグリグリ回したあと引き抜くと比較的抜きやすくなるでしょう。ハンマーがない場合は使っていないペグを穴に差し、同様に動かすことで代用できます。
また、ペグに穴がない場合は、打ち込んだペグの左右を叩くことで抜けやすくなるでしょう。あまり強く叩くとペグが折れる可能性があるので、注意しながら弱めに叩くようにしましょう。
アレンジ
ペグの使い方は、地面に打ち込んでテントやタープを固定するだけではありません。以下のように、工夫をすれば色々な使い方をすることができるんです。
蚊取り線香
キャンプには欠かせない防虫対策。とくに夏のシーズンは虫がブンブン飛び回り、蚊取り線香で対策している方が多いのでは?
そこで役立つのがペグをアレンジして作った蚊取り線香スタンド! フックを設けた楕円形の鍛造ペグがあれば、フックに蚊取り線香を挟んで地面に突き刺すだけで簡易的な蚊取り線香ホルダーを作ることができ、防虫対策することができますよ。
ただし、ペグにしっかりと固定できない場合は落下の危険があるため、無理やり取り付けないようにしましょう。また、蚊取り線香の下に耐熱シートを設置するなど、落ちてくる灰への対策も忘れないようにしてください。
薪置き
焚き火を扱うキャンプに必要な薪は、地面に直接置いてしまうと湿気てしまい火つけが悪くなってしまう場合があります。
そんなときは、2本のペグをクロスさせるように打ち込み、それを2箇所作ることで簡易的な薪ラックとしてアレンジすることができます。
目的に合った種類を選んでアウトドアを楽しもう!
ペグには形や素材・長さなどさまざまな種類があり、用途に合ったペグを選ぶことで、強い風にも負けずテントやタープをしっかり地面に固定することができます。
今回紹介した選び方やおすすめのペグ、打ち方・抜き方などの正しい使い方を参考にして、快適なアウトドアライフを楽しんでくださいね!