バーベキュー用の網と炭

バーベキュー用炭のおすすめ&必要量や火起こし・後処理のコツは?

炭はバーベキューに欠かせないものですが、種類の違いやどれぐらいの量を持っていけばよいのかなど、実は理解しきれていないことも多いのでは?

そこで今回は、バーベキューの必須アイテム「炭」について徹底解説! 炭の種類や火起こし&後処理のコツ、バーベキューにおすすめの炭などをご紹介します。この記事を読めば、炭に関する疑問をまとめて解決できますよ!

目次

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バーベキューで炭の量はどれくらい必要?

段ボールに入った炭と革手袋とトング

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バーベキューの必須アイテムのひとつが「炭」。定期的にバーベキューを行っていれば必要量の目安が分かるかもしれませんが、初心者の方は「いったいどれくらいの炭の量が必要なの?」と疑問に思いますよね。

バーベキューコンロの数や大きさによっても異なりますが、炭の量は基本的に「1人1kg」もしくは「1時間1kg」程度を目安にするとよいでしょう。

バーベキューで必要な炭の量の目安

・4人家族でバーベキューを行う場合は4kg

・2時間バーベキューを行う場合は2kg
・3人で4時間バーベキューを行う場合は3〜4kg

炭火バーベキューで肉を焼く

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ただし、上記はあくまでも目安になるので、途中で炭が切れてバーベキューができなくなったということがないように、少し多めの量を持っていくのがおすすめです。

また、炭の種類ごとに燃焼時間の違いがあるので、どんな種類の炭を持っていくかによっても量を調整するとよいでしょう。

バーベキュー用の炭のおすすめ

燃えている炭

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バーベキュー用の炭には、主に以下のような種類があります。ここからは、それぞれの特徴やおすすめの炭を紹介していきます。

・黒炭

・白炭
・マングローブ炭
・オガ炭
・着火加工成型炭

黒炭

黒炭

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黒炭とは、主にナラやカシ、クヌギなどの木材を土窯で炭化させた木炭のこと。

ホームセンターや通販などで容易に入手することができます。特徴は以下のとおりです。

黒炭のメリット・デメリット

・価格が安い

・炎が上がりやすく最大火力が高い
・着火しやすく火のまわりが早い
・煙が多く燃焼臭がある

黒炭は、比較的安い価格で購入でき、炎が上がりやすく最大火力が高いのでバーベキュー用に最適です。

煙が多く臭気があるのが難点ですが、着火しやすく火のまわりが早いため、手軽に火力調整できるでしょう。パチパチと爆ぜることも少ないので、炭の扱いに慣れてない初心者にもおすすめです。

一般社団法人岩手県木炭協会 岩手切炭 なら堅1級 3kg

内容量3kg

大西林業 しらおい木炭 3kg

内容量3kg

白炭

白炭

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白炭とは、カシなどの硬い木材を高温で焼き上げて作った木炭のこと。木炭の表面に白い灰がつくことから「白炭」と呼ばれます。

ウバメガシを材料に作る「備長炭」が代表的で、以下のような特徴があります。

白炭のメリット・デメリット

・火力が強く火持ちもよい

・煙が少なく燃焼臭も少ない
・火がつきにくく爆ぜやすい

密閉した窯の中で自然冷却させる黒炭とは違い、消し粉(土と灰と水を混ぜたもの)で一気に冷まして仕上げるため鋼のように硬く、叩くとキンキンと金属のような音が鳴り、火力が強く火持ちのよいのが特徴です。

パチパチ爆ぜる「爆跳(ばくちょう)」といわれる現象が起こりやすく、火がつきにくいのがデメリットですが、燃焼臭が少なく雑味が付きにくいので、飲食店や料理屋などで燃料として採用されることが多い炭です。

豊栄燃料 土佐備長炭 バラ 2kg

内容量2kg

紀州備長どっとこむ 紀州備長炭 燃料用 1kg

内容量1kg

マングローブ炭

マングローブ炭でバーベキュー

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マングローブ炭とは、東南アジア諸国などで伐採されたマングローブ(海水と淡水が混ざり合う場所で生育する植物の総称)を使用した木炭です。

ホームセンターやスーパーなどで3kg300〜500円ほどの安い価格で売られていることも多く、主に以下のような特徴があります。

マングローブ炭のメリット・デメリット

・安い値段で手軽に購入できる

・火つきがよいので初心者でも着火させやすい
・火持ちが短く煙が出やすい

着火性が高いので、火起こしに不慣れな人でも容易に扱いやすいのがメリットですが、火持ちはあまりよくないのがデメリット。

長時間でのバーベキューではこまめに炭を継ぎ足す必要がありますが、火つきがよいため焚き付け用としておすすめです。

コーナンオリジナル BBQ木炭 6kg

内容量6kg

ビジョンピークス 木炭6KG

内容量6kg

オガ炭

燃えているオガ炭

出典:PIXTA

オガ炭とは、木材を加工するときに発生するおがくずを利用して作られる炭です。

中心に穴が空いた形状で、エコな燃料のひとつとしても注目されており、以下のような特徴があります。

オガ炭のメリット・デメリット

・比較的安価でコスパが高い

・爆ぜにくく安全に使える
・形が均一で人工的

種類にもよりますが、安い価格で入手しやすく長時間燃焼するので、コスパのよい炭として人気です。

人工的に成形したものであるため、アウトドアならではの風情はあまり感じられないかもしれませんが、基本的に備長炭のように爆ぜることはないので安全に使用できます。

兵庫炭化工業 炭じいのおすみつき

内容量5kg

キャプテンスタッグ エコ オガ炭3kg入

内容量3kg

着火加工成型炭

ロゴスエコココロゴス・ミニラウンドストーブ4

出典:ロゴス

着火加工成型炭とは、ヤシガラやオガ屑などの主原料と一緒に着火剤を練り込み圧縮形成した木炭のこと。

火起こしに不慣れな方でも手軽に着火することができます。特徴は以下のとおりです。

着火加工成型炭のメリット・デメリット

・火起こしが簡単にできる

・爆ぜにくく安全に使える
・価格は高めで湿気に弱い
・着火剤の臭いが気になる場合も

蜂の巣状に穴が空いている形状が特徴の着火加工成型炭は、とにかく短時間で火起こしできるのが最大の特徴。

しかし、少々値段が高く、湿気に弱いのはデメリット。取り扱いや保管時に注意が必要となります。また、人によっては着火剤の臭いが気になる可能性もあるでしょう。

ロゴス エコココロゴス・ミニラウンドストーブ4

内容量600g

バンドック 着火剤 らくらく 炭 2kg

内容量2kg

バーベキューでの炭の火起こし方法

バーベキューで火起こし

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「炭の種類や特徴は分かったけれど、実際にうまく火起こしできるか心配……」という方に向けて、炭の火起こし方法について以下のポイントごとに解説していきます。

・用意するものは?

・置き方は?
・火の点け方は?
・火起こし器やガスバーナーがあると便利!

用意するものは?

炎が出ている炭

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火起こしする前に用意しておきたい道具としては、以下のようなものがあります。

火起こしに必要な道具の例

・トング

・軍手や耐火グローブなど手を保護するもの
・ライターやマッチなど火をつけるもの
・うちわや火吹き棒など風を送るもの
・着火剤 

火起こしするときは手が汚れがちなうえ、火傷の危険があるので、軍手や耐火グローブを必ず用意するようにしましょう。また、炭に着火する必要があるのでライターやマッチなどが必要です。

炭の種類や状態によっては火起こしに時間がかかるので、着火剤があると便利でしょう。

炭をうちわであおぐ男性

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さらに、種火から火を育てるときにうちわや火吹き棒やうちわがあれば楽に送風することができます。

火が育ってから炭を追加投入したり位置を動かして火力を調整したりしたいときには、トングがあれば安全に炭を扱うことができるので便利ですよ!

置き方は?

炭を縦にくべる

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炭の置き方をちょっと意識するだけで、効率よく着火させることが可能です。ポイントは、炭を立てるように置いて空気の通り道を作るということ。

炭は詰め込みすぎず、あえて一定の隙間を開けて置くことによって、上昇気流によって下から新鮮な空気を取り込みやすくなり、効率よく燃焼させることが可能です。

火のつけ方は?

だんだん火がついている炭

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炭に火をつけるときは、着火剤を使用すると簡単で便利です。まずは着火剤をコンロの火床に置き、その上に小枝など燃えやすい素材や小さい炭を立てかけるように少量積み重ねて着火剤に火をつけます。

火がついたことを確認できたら、うちわや火吹き棒を使って火を育てていき、一度トングでならして大きめの炭を入れ、再度空気を送って火を大きくしていきましょう。

大きめの炭にも火がつき、炎が上がらなくなって火が落ち着いたらいよいよ焼きごろのタイミング。炭の上20cmくらいに手をかざして3〜4秒ほど我慢できるくらいが目安です。

火起こし器やガスバーナーがあると便利!

ガスバーナーで着火

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楽に火を起こしたいなら「火起こし器」や「ガスバーナー」があると便利です。なかなか着火せず何分もライターで炙って手が熱くなる……なんてこともなく、簡単に着火することができますよ!

キャプテンスタッグ 炭焼き名人 FD火起し器

サイズ18.5×19×20.5cm
重さ1kg
おすすめポイント

●炭を入れて下から着火することで簡単に火起こしができる

●折りたたみ式でコンパクトに持ち運び可能
●扱いやすいハンドルが付属

ソト フィールドチャッカー

サイズ3.4×12.2×6.6cm
重さ153g
おすすめポイント

●カセットガスを燃料とするので取り扱いしやすい

●1,300度の強力集中炎から900度のソフトな炎まで調整可能
●逆さ使用しても生火が出ないので安全に使用できる

バーベキュー料理は炭の火加減調整が重要!

炭を動かして火加減調節

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バーベキュー料理は、火加減が強すぎて食材を焦がしてしまったり、逆に火加減が弱くて焼くのに時間がかかったりトラブルがつきもの。おいしく食材を焼くためには、炭の火加減調整が重要です。

炭の火加減を調整したい場合は、以下のポイントを意識するようにしましょう。

1. 火加減の違う場所を作る

2. 炭の様子を見て適宜追加する
3. 火が弱いと感じたら空気を送る

1. 火加減の違う場所を作る

火加減の違う炭

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食材をおいしく焼くためには、火加減の違う場所を作るのがポイント。焼き網全体が同じ火力だとちょっとした油断で食材をすぐ焦がしてしまう場合もあるので、3段階ぐらい火加減の違う場所を作って焼く場所と保温する場所を確保できるようにしましょう。

コンロが小さい場合や調整が難しい場合は、炭を山状にすることで中心は火力が高く、周囲の縁は火力を低く調整することができます。

2. 炭の様子を見て適宜追加する

炭を追加

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炭には燃焼時間があるので、一定時間が経過すると火力が低下してきます。そのため、長時間バーベキューを予定している場合は、炭の様子を確認して適宜追加投入し、火力を維持する必要があります。

全体的に炭が白くなってきたら火力が低下したサインといえますので、燃えている炭の下に新しい炭を追加投入するようにしましょう。

3. 火が弱いと感じたら空気を送る

うちわで炭をあおぐ男性

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炭を入れたばかりなど火力が弱いと感じたら、うちわで扇いだり火吹き棒で空気を送ったりして火を大きくするようにしましょう。

炭が燃えるには空気中の酸素が必要となるので、上記のようなアイテムを使って空気を送り込むと効果的に火力を高めることができます。

バーベキューでの炭の後始末方法

炭の燃えカス

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火を起こしてバーベキューを楽しんだあとは、炭の後始末も重要です。正しく安全に消火するため、以下の項目ごとに炭の後始末方法を解説していきます。

・火の消し方は?

・再利用はできる?
・炭の捨て方は?

火の消し方は?

バケツに水を入れて消火

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炭の火を安全に消す方法として、主に以下の2つがあります。

炭火の消し方

・水につけて完全に消火する

・火消し壺を使って完全に消火する

水で炭の火を消す場合は、大きめのバケツに水をたっぷり張り、少しずつ炭を入れて10分前後浸します。水から取り出した炭を割ってみて火が完全に消火したことを確認できれば完了です。

一度に大量の炭をバケツに入れると水が急激に沸騰して危険ですので、少量ずつ確実に消火していきましょう。

火消し壺で消火

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火消し壺を使用すれば、容器に炭を入れて密封することで空気を遮断し安全に消火することができるのでおすすめです。手間がかからず容器に入れたまま持ち帰ることもでき、次回の火起こしのときに消し炭を再利用することもできます。

注意点として、コンロに直接水をかけるのは非常に危険ですのでやめましょう。一気に水をかけることで瞬間的に水蒸気が発生し灰が舞い散る原因となります。また、コンロの変形の原因ともなるので、必ず正しい方法で安全に消火するように心がけましょう。

バンドック チャコール缶

サイズ25.5×18.5×27cm
重さ940g
おすすめポイント

●水を使わず安全に密閉消火することができる

●蓋にロック機能が備わっているので安全に持ち運ぶことができる
●高さ270mmあるので大きな炭も入れることができる

再利用はできる?

ツボに入った使った後の炭

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一度使用した炭は、乾燥していれば再利用が可能です。一度火がついた消し炭は火がつきやすい状態となっており、次回のバーベキューで火起こしのときに役立てることができるでしょう。

炭の捨て方は?

キャンプ場の炭捨て場

出典:PIXTA

炭を捨てる場合は、完全に消火したことを確認してからキャンプ場やバーベキュー場の灰捨て場に捨てるか、灰捨て場がない場合は家に持ち帰り、自治体のルールに従って正しく捨てるようにしましょう。

たとえば、東京都渋谷区の場合、炭は可燃ごみとして処分可能です。バーベキュー場から家まで持ち帰る際は、必ず完全に火が消えたことを確認してから安全に持ち帰るようにしましょう。

※参考:渋谷区「件名:10199 炭のごみの分別方法はなんですか。

炭を制するものがバーベキューを制する!

ガスバーナーで炭に着火

出典:PIXTA

炭には「黒炭」や「白炭」などさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。火力や火つき、燃焼時間などの違いを知ることで、より快適にバーベキューを楽しむことができるでしょう。

ぜひ今回紹介した炭の種類や火起こし&火消し方法などを参考に、炭の扱いをマスターして、より快適なバーベキューを楽しんでみてくださいね!

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